秋深まりて ちいさな命
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<1> ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
<画像をクリックすると拡大表示されます>
朝露に濡れた野辺を歩く。
予報は晴れのはずだが、どんよりと曇っている。肌寒い。
ふと目に留まったシジミチョウ。
コセンダングサの上でじっと動かない。
翅には艶がなく斑紋も消えかかっている。
生きているのか死んでいるのか。
しばらく観察していると、触覚がわずかに動いたような。
命の鼓動がかすかに伝わったような気がする。
ヤブランが葉のしとねの上に身を横たえている。
ちいさなブドウのようにみえる実はうっすらと露に濡れている。
ひと粒ひと粒がつながりながら息づいている。
コウヤボウキの花がしずくをためている。
瞳の大きな少女の涙のような。
どんな嬉しいことがあったのだろうか。
しばらく歩くと、奥の方に1枚の枯葉が目に映る。
通り過ぎようとしたが、どうにも気にかかる。
300mmレンズでのぞいてみる。
ピントリングを回すと輪郭がくっきりと浮かび上がり、ツマグロヒョウモンが現れ出る。
エノコログサの細い茎にしがみついている。
夜通しここで気温の低下に耐えてきたのだろう。
ヒオウギはまだしゃんとしたものもいるし、枯れて倒れているものもいる。
けれど、残されたちいさな実は命の輝きに充ちている。
秋は早足に冬へと装いを変えようとしている。
<2> ヤブラン(藪蘭)
<3> 同上
<4> コウヤボウキ(高野箒)
<5> 同上
<6> 同上
<7> イヌホオズキ(犬鬼灯)
<8> ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋蝶)♂
<9> ヒオウギ(檜扇)
<10> 同上
植物達は冬への準備をしたようですね。
この時期の植物は殆どが赤か黒の実をつけていますね。
黒い瞳で動物達を魅了かするが如く。
植物の写真を写して戻る時に良く見ましたら交尾姿のまま2匹共息絶えていました・・・・・
自然の生き物達の儚い命に悲しくなりました
ヤブランやイヌホオズキ、ヒオウギの黒い実は綺麗ですね・・・・・
赤い実も多く見られるこの季節には写したいものが多くて大変です~
コウヤボウキのキク科と桐のゴマノハグサ科はいつも不思議に思いながら見ています・・・・・
1.3.4.7.8.10の写真いいですね^^
自然の移り変わりを見つめるkazeさんの静かな感動が、お写真に、そして秀逸な言葉づかいによく表れています。
木々や草の実も日々深まる秋を想わせますが、じっと動かないヤマトシジミのツマグロヒョウモンの姿に、より象徴的に見出すことができます。
あのキラキラと輝くように元気に、あるいは優雅に飛び回っていた暖かな日々が去り、最後の命を今生きている姿のように見受けられました。
底側からじわりと浸み出てくるような、静かな感動をおぼえました。
身近な自然を優しく見つめるasitano_kaze さんのお写真と
添えられた文章がいつもとても素敵です。
その感動を上手く表現できない自分がもどかしいのですが・・
心の中に静かな感動が広がりました。
瞳の大きな少女の涙のような・・コウヤボウキのお写真素敵です。
涙ぐみそうになりました。
自然の美しさと厳しさの両面を同時に感じる季節かなと思います
コウヤボウキ、ここ数年見ておりません
散歩コースにあるはずなのですが・・・
こちらで素敵なお写真を拝見できよかったです
1,4,6,10が素敵です
ひっそりと、佇んでいる・・・
晩秋の たまらない刹那
kazeさんに、見つけてもらって 本当によかったね。
いっぱい話しかけてもらったことでしょう。
実の、優しさも・・
ツマグロヒョウモンが、まだ頑張っていましたか。
胸がきゅんとなってしまいました。
今年の秋、、まだ、底冷えとまではいかない、
でも、晴れが続かない、雨は降る
厳しいですね。
それでも、生きられる限り、頑張って欲しい。
我が家の庭では、息絶えそうなオンブバッタが3匹
菊の花上でがんばっています。
ヤマトシジミとコセンダングサが綺麗な色目で
asitano_kaze の文章・・・
「秋深まりて ちいさな命」
なんだか胸にジーンと心に響きます。
ヤブラン庭に同じ様な色目になっています。
3枚目が好きです。
コウヤボウキは、まだ出会っていませんが・・・
4枚目綺麗ですね。
エノコログサの細い茎にしがみついている
ツマグロヒョウモンの絵も素敵です。
ヒオウギの10枚目が好きです。
松の実をつついて ヒガラ(日雀)他
徒歩10分圏 川・遊水池・調整池
豊作 ヒガラ(日雀)他
楽しく拝見さしていただいています。
皆さんが書かれているように、kazeさんの文章 とても美しいですね。
心にしみます。
トップ、寂しげな色合い、素敵です。
小さな虫たちの生命は儚いですね。
でも、それぞれにしてみたら きっと人間の一生くらい長いのかもしれないな…
なんて思ったりしました。
もう、冬はそこまでやってきていますね…。
草や木は果実を実らせ成熟させて、鳥のお客さんを待っているのでしょうね。
他方、蝶たちは恋をし産卵をして、この時季、命つきるのを静かに待っています。
それぞれの生き方は自然の神様が決められたものなんでしょうね。
蝶は本能的にちゃんとわかっているのでしょうね。
涙をためたコウヤボウキは目にしたとたん、思いました。
これはうれし涙にちがいないと。
炬燵の暖かさはこころまで温めてくれますね。
トノサマバッタの最期でしたか。
産卵には至らなかったのですね。でも燃え上がった恋のさなかに旅だったのですから満足だったのでは。
この時季にみられれる果実は美しいですね。
そう鳥に思われるように着飾っているのでしょうね。
1,3,4,7,8,10,ありがとうございます。
この寒さの中にうずくまるようにして留まっている蝶の姿は身につまされるものを感じます。
生きているすべてのもに訪れる最期をしずかに待っている。恍惚感さえ感じました。
ひとはなかなかこうはいかないもののようです。
コウヤボウキは好きな花で、つい目がいってしまいます。
このときは、花が全身で喜びを表しているように見たとたん感じました。
シジミチョウのことを考えながら歩いていたので、そう思ったのかも知れません。
命は絶える。命はつながる。命はきらめく。そんなふうな感慨がありました。
晩秋のこの時季、人の目には木々の葉の彩りの美しさはたまりませんね。
はらはら舞い落ちる木の葉あり、落ちない葉あり、命を落とす蝶あり、越冬する蝶もあり、さまざまな生き方があるんですね。
1,4,6,10,ありがとうございます。
道のすぐ脇でヤマトシジミを見つけました。最初、生きているとは思えませんでした。
ところが、すこし離れたところに別のヤマトシジミがいました。
こちらの方は翅の模様もしっかりと見えました。脚をすこし動かしていました。
それから、先の蝶をもう1度見直しました。
すると、きっとまだ生きているという気がしてきました。
ツマグロヒョウモンも定かではありませんが、まだ命は絶えてはいないと思いました。
オンブバッタちゃんたち、がんばれ!
お庭のヤブランの実も色付いて、あけみ蝶さんのこころを楽しませているんでしょうね。
3,4,10、ありがとうございます。
ツマグロヒョウモン、残りわずかな命でしょうが、けんめいに生きているようでした。
他の記事もごらんいただき、ありがとうございます。
トップ、ありがとうございます。
間近に見ていたのですが、生きているような気がしませんでした。
ところが、ちょっと動いたような気がして、またよく見てみると、今度は命のぬくもりのようなものが感じられてきました。
人にはおのれの最期がわかりませんが、蝶たちにはわかっているような気がします。
冬は確実に1歩1歩近づいてきていますね。
小さな世界の小さな営みを見詰められるkazeさん
それを美しい言葉で表現されて、写真つきのエッセーを拝読させて頂いているようです。
シジミチョウやツマグロヒョウモン、それに草の実たち、
時の流れに身をゆだねて、懸命に生きる姿に感動します。
溢れ出る感性の豊かさのkazeさんの世界に、すっかり魅了されてしまいました。
どこにでもある晩秋の光景ですが、絶え絶えの蝶の姿を間近に見るとちょっと切なくなります。
植物を見ていると、命を繋いでいくということが実感できます。
冬を迎える季節には懸命に生きようとする姿が集約されているような気がします。