コサギの棲むところ
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全身が白でおおわれているこの鳥は麗しく高貴にみえる。
澄んだ空気と清流の山村に棲息しているイメージをもつ。
ところがそんなことは全くないのである。
コサギはその風貌に似ず実にリアルな生き方をしている。
濁った川や池を好む。
足はおそろしく大きな黄色いかぎ爪。
その足を使って水中をかき回す。
おどろいた獲物が飛び出すところを鋭い嘴で素早くはさみつける。
狩りの名手。かなりの確率で小魚類をはさんでいる。
警戒心がつよく人の姿を見るとすぐに飛び立つ。
あるいは近くの橋の下へ身を隠す。
カルガモは人が見下ろしてもそうそう逃げ出したりはしない。
この警戒心のちがいは何に起因するものだろうか。
彼等のこれまでの歴史に人間による悪業が刻まれているのかも知れない。
この美しき容姿をもつ鳥はなにゆえに生活排水に汚れた川べりにやって来るのか。
人の多い環境でなにゆえに人を恐れて暮らしているのだろうか。