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今年もちゃんと咲いていた。
花のいいところはほぼ決まった場所で会えることだ。
鳥はそういうわけにはいかない。
花は約束できるが、鳥にはすっぽかされるのが落ちだ。
トリカブトを去年初めて撮ってから、その妖艶な姿に魅せられて、今年も会いに行った。
トリカブトを見たことはなくても、その名前は毒性植物としてつとに知られている。
ツクバトリカブトは、筑波山で発見されたことから名前がついたという。
毒は全草にあって、特に根は猛毒らしい。
当然蜜も有毒。ハチは平気で吸蜜しているが、人間にとっては命取りになる。
したがって、養蜂家はトリカブトの開花期を避けるか、その場所から遠ざかるという。
私が花を撮っているときにもマルハナバチの仲間が盛んに吸蜜していた。
もっともミツバチと違って、ハナバチの採取した蜜は人間の口には入らないから心配いらない。
日本には40種のトリカブトが自生しているらしい。
しかし似ている物が多くて正確に見分けるには専門的な知識が必要という。
いずれも猛毒を有しているから、触らぬ神に祟りなしである。
ニリンソウの若葉などによく似ているところから、誤って食べて中毒事故や死亡事故に至った例もあるらしい。
眺めて愛でたり写真を撮って楽しんだりしているのが正しい付き合い方というものだ。
とまれ、そうした人間の思惑など何ひとつ知らずに、すでに若い果実がさやに入ってすやすやと眠っていた。
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